Monday, August 20, 2018

SPO2値@標高3600m

標高3600m付近でのデーター(2018年8月18-19日の夜)

睡眠時無呼吸症候群の症状のモニターの一つとして最近は、睡眠中のSPO2値を測って記録しています。今日はその番外編です。
(*)(直接は睡眠時無呼吸症候群とは余り関係がありません)

SPO2値と標高

以前にも書いていますが、もともとSPO2値やそれを測定するパルスオキシメータに興味を持ったのは、趣味の登山に関係して高山病との関係からです。標高の高い所に行くと、SPO2値が低下して、その高度に体が順応してくるとSPO2値が通常の値に近くなることが知られていて、SPO2値がこうした、体の状態の指標になりえるからでした。様は低酸素の環境では、体に十分な酸素を取り込むことが出来ずに値が下がる事が知られているという事です。
そんな中、自分自身の睡眠テストの結果にSPO2値があったのを見て、睡眠中のデータを取り始めたというのが経緯です。

標高3600mで測ってみたら?

今までは、連続したSPO2値を測れる機器を持っていなかったので、その瞬間のSPO2値しか測定できなかったのですが、睡眠中のデータを取るということで、連続した機器を手に入れたので、標高の高い所で測ってみようと思っていました。
たまたま、先週末に、Mt. Whitneyというアメリカのカリフォルニア州で一番高い山にハイキングに行ってきたのでデータを取ってきました。
この山は、標高4421mで、1泊2日のハイキングでした。宿泊したのはトレールキャンプと呼ばれる場所で、標高は3666m位です。丁度、富士山の頂上より、少し低いくらいの場所で、多くの登山者に高山病の症状が出る標高と言えます。

それで、測った結果が冒頭のグラフです。平均で77%で最低値が60%という結果でした。
ちなみにその前日の自宅での測定値が以下の様になっています。

自宅での測定値(2018年8月16-17日の夜)

平均で95%で最低値が87%でした。この数値だけを見ると、標高約3600mでのデータは以上に低い事が分かります。最近は睡眠中はCPAPを使っていますので、症状は改善されていますが、16-17日のデータでも87%まで落ちる事が起きています。ただ、このデータは実際の落ち込みとは違う様で、指につけたセンサの接触によるものだと考えられます。詳細のデータを見てみると以下の様になっていました。

8月16-17日のデータの詳細

良く見ると、落ち込みの直前のデータが途切れているのが分かりますので、その後のデータは、正しいデータでない可能性が高いと考えられます。ちなみに、3600mでのデータを同じような解像度で抜き出してみてもこのような不連続な部分は見当たりませんので、以下にこのSPO2値が低いかが分かるかと思います。(全体のデータで切れている部分があるのは、この時は一時的にセンサーが外れていた)


8月18-19日のデータの詳細の例

というのが、データです。

ここからが今日の本題です!

さて、今まで疑問に思っていたのが、睡眠のテストでSPO2値の落ち込みが80~90%で問題にされている事がずっと不思議に思っていた事でした。睡眠時無呼吸症候群による落ち込みはせいぜい長くて数分間だけで、通常はせいぜい1分前後でした(私の場合)。ところが、標高の高い所に行くと殆どが90%以下です。(グラフが赤い部分が90%以下になっています)だからと言って、この標高に数日滞在しても特に問題を感じた事はありませんでした。それで、自分のテストデータを見た時も、90%以下の落ち込みに対しても、余り驚きもしませんでしたし、深く受け止めていませんでした。

データを良く見ると、高度が高い所ではSPO2値の変動が大きいことがよく判ります。実際にリアルタイムの測定でも数値が安定せずにどの値が本当の値かを見るのが難しいと言えます。これは、意識して呼吸したりすると、一時的には数値が改善するというのが1つの理由で、後は体を動かしたりすると変動が激しくなるようでした。ただ言えるのは、一般的には数値は低いという事です。

今回このグラフを見て気づいた事は、心拍数のグラフも同時に出ている事でした。3600mのデータでは、心拍数の平均値が、毎分83.6回、最少値が毎分55回、最大値が毎分111回でした。これが、8月16-17日のデータでは、平均値が毎分52.8回、最小値が毎分46回、最大値が毎分90回でした。ただ、この最大値も実際の値ではない可能性が高いと言えます。最大値の時間が午前3時6分頃ですが、この時も最大値付近でデータが途切れているので、センサの接触や位置が良くなかった可能性が高いのではないかと推測されます。その辺は無視して考えても、毎分30回分の心拍数の差があるという事が改めて判りました。

高所ではSPO2値は低くなるが心拍数も上がる!

つまり、SPO2値は低くなるのですが、定常的にSPO2値が低いために心臓が心拍数を増やして循環の頻度を増やしているという事に気づきました。これはあくまで医学的には素人の推論ですが、体に供給される酸素量は循環量を増やす事で、恐らく同程度の酸素が確保されていると考える事ができるのではと思ったわけです。

睡眠時無呼吸症候群によるSPO2値の落ち込み時のデータを見てみると、SPO2値の落ち込み時は、心拍数も一時的に上昇していますが、その後は元に戻っています。この辺の体のレスポンスの時間は私のデータからは詳しく読み取る事はできませんが、睡眠時無呼吸症候群の場合、一時的にはかなりの低酸素状態が発生すると考えられます。この辺が体に悪影響を及ぼしていると考えられるのではと思います。
高所の場合、いきなりその場所に行くケースは殆どなく、徐々に標高を上げていくわけで、それに応じて体た心拍数を調整して循環を増やしたりしているわけで、一時的に体が低酸素状態になる可能性は低いのではと思います。

SPO2値だけを見ていると、この差が分かりませんでしたが、今回、山でデータを取ってみて大きな違いが判りました。そう考えると、睡眠時無呼吸症候群は怖いかもと改めて思いました。。。。

今日は番外編でした!




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